Ruby 3.1はここに注目! 新しいJITとは? デバッガ、エラーメッセージ、そして未来! リリースマネージャーに聞いた
2021年12月25日にリリースされたばかりのRuby 3.1では、どのような機能がどういった経緯で採用されているのでしょう。リリースマネージャーのnaruseさんと、フルタイムコミッターのmameさん、ko1さんに詳しくうかがいました。
プログラミング言語Rubyでは2013年の2.1.0以降、毎年クリスマス(12月25日)にメジャーバージョンアップが行われています。2021年も無事にバージョン3.1.0がリリースされました。
Ruby 3.1は、言語機能の面では全体的に穏やかなリリースにも見えますが、新しい方式のJIT(just in time)コンパイラ、標準の新デバッガー、事前アナウンスでも好評だったエラーメッセージの改善など、開発者体験の面では意欲的な内容です。今回のリリースの詳細や意図、今後のRuby開発の方向性などをリリースマネージャーの成瀬ゆい(naruse)さん、コミッターの遠藤侑介(mame)さん、同じく笹田耕一(ko1)さんに聞きました。
インタビューはリリースの内容が確定した2021年11月の開発者会議の数日後、オンライン会議ツールを用いてリモートで実施しました。聞き手は、ラムダノートの鹿野桂一郎(@golden_lucky)さんです。
- 2.6系で様子を見ている人でも3系に上げられるリリース
- 既存のMJITとは異なるアプローチの直截的なYJITを搭載
- メンテナンス性が重要な機能は企業のサポートがあってこそ
- JITのデフォルトはYJITになるのか? MJITの今後は?
- 標準装備される新しいデバッガ
- ちょっと便利になって「すごい便利」と感じるエラーメッセージ
- 普通のRubyプログラマの開発体験を向上させるリリース
- 次に何がきても選択肢としてRubyが現実的であるように
- 成瀬 ゆい(なるせ・ゆい)nurse
- 2004年にnkfライブラリのメンテナとしてRubyの開発に参加。バージョン1.9から文字コード全般に関わり、バージョン2.1から現在までリリースマネージャーを務める。トレジャーデータ株式会社に所属。
- 遠藤 侑介(えんどう・ゆうすけ)mame
- 2008年からRubyの開発に参加。テスト支援機能などの高品質化を中心に活動し、Ruby 2.0ではリリースマネージャーも努める。クックパッド株式会社で、笹田耕一氏に続く2人目のフルタイムコミッターとして、2017年からRubyの開発に専念する。
- 笹田 耕一(ささだ・こういち)ko1
- 2007年に開発したRuby用仮想マシンYARVがRuby 1.9として導入され、Rubyコミッタに。以降、RubyのGCやスレッドなど、下回りの改善を行う。2017年よりクックパッドでRubyインタプリタ開発に従事。
2.6系で様子を見ている人でも3系に上げられるリリース
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