HTTP/3とQUICはなぜ必要になり、どのように標準化されてきたのか? 現代のプロトコル設計とインターネットの課題

IETFで標準化が進められているWebの新しい通信プロトコルQUICとHTTP/3について、現在のインターネットが抱える課題やプロトコル設計での議論を中心に、ASnoKaze blogの後藤ゆき(@flano_yuki)さんに執筆いただきました。

HTTP/3とQUICはなぜ必要になり、どのように標準化されてきたのか? 現代のプロトコル設計とインターネットの課題

2021年、Webに新しい通信プロトコルが登場しました。RFC 9000として標準化されたQUICと、その上で動作するHTTP/3です。HTTP/3はまだドラフト版ですが出版準備段階となっており、すでに実際のWeb通信でも広く使われています

この2つのプロトコルは、現在のWebやインターネットが抱える課題について熟考された上で、設計・開発されています。どのような特徴のプロトコルなのか、どのような議論がされてきたのかを踏まえ、Webの現状とプロトコルの進化について私見を交えながら概観していきたいと思います。

なお、この記事ではプロトコルの意義や可能性にフォーカスしており、プロトコルそのものの技術的な解説については記事末に掲載した参考資料などを参照してください。

Webの発展によりHTTPの改良が必要になる

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