東京都の新型コロナ対策サイトはなぜNuxtJSだったのか? ─ シビックテックのベストプラクティス

東京都が3月初旬に公開した新型コロナウィルス感染症対策サイトは、モダンなWeb技術を使いオープンソースの手法で開発されました。シビックテックの活動から生まれたベストプラクティスについて、開発者のお2人に聞きました。

東京都の新型コロナ対策サイトはなぜNuxtJSだったのか? ─ シビックテックのベストプラクティス

東京都が2020年3月3日深夜に公開した新型コロナウイルス感染症対策サイトは、都内の感染動向が見やすく整理されているだけでなく、NuxtJSベースのSSR(Server Side Rendering)で静的ホスティングにNetlifyを採用したサーバレスなSPA(Single Page Application)というモダンな技術選定がWebエンジニアの間で注目を集めました。

ソースコードはGitHub、UIデザインをFigmaで管理しているため、社会的な問題の解決に協力したいエンジニアが改善提案などをコントリビュートでき、開発環境ではCI/CDも整備されており、適切なオープンソースライセンスMIT Licenseが付与されているので各地方自治体向けの派生版を自由に作成できる──。

こういったオープンソースのマナーに則ったこの対策サイトは、元ヤフーCEOの宮坂学@miyasaka東京都副知事が組織した特別広報チームの委託を受け、関治之@hal_skさんが代表を務めるCode for Japanが開発しました。

1 東京都新型コロナウイルス感染症対策サイトを開発|コード・フォー・ジャパン

Code for Japanは、行政ではなかなか手が届かない地域の課題をテクノロジーの力で手助けするシビックテックという活動をしている一般社団法人で、2011年の東日本大震災後直後に開発者コミュニティから立ち上がった支援の動きの中から生まれました。

急を要する対策サイトにおいてなぜこのようにモダンな技術要素が選定でき、実際にはどのように開発を進めたのか? サイトのローンチまで少数で開発にあたったコアチームのメンバーである小副川健さんと池田達哉さんに、今回のプロジェクトを支えた技術の背景から、シビックテックに携わるエンジニアのあり方までお話を伺いました。

小副川 健(おそえかわ・たけし) 2 oso_ken 3 osoken

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株式会社ユーザベースでSPEEDA事業のチーフデータサイエンティストを務める。筑波大学大学院で数理物質科学研究科博士課程を修了後、富士通および富士通研究所でのデータサイエンティスト・研究員を経て、2018年から現職。データサイエンティストとしてコードを書くキャリアは現在9年目。

池田 達哉(いけだ・たつや) 5 yokinist 6 yokinist

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文科系の学部に在籍しながらシビックテックに興味を持ち、関治之氏の「右腕インターン」として1年ほど関わる。その後いくつかのシビックテック活動やインターンシップを経て、株式会社almaの創業に参画。プロダクト開発をリードするかたわら、共同設立したCode for Youthなどでも活動する。学習院大学4年。

なぜNuxtJSだったのか? あるいはjQueryでなかったか?

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