Eclipse、はじめの一歩 - インストールから便利な日本語化プラグインの導入まで

開発業務の効率化に有用なツールとして使われる「Eclipse」は、豊富な拡張機能も魅力です。ごく初歩から学べるよう、インストールの方法や初歩的な使い方の導入、便利な日本語化プラグイン「Pleiades」による機能拡張などを体系的に紹介します。

Eclipse、はじめの一歩 - インストールから便利な日本語化プラグインの導入まで

IDE(統合開発環境)として広く知られている「Eclipse」は、開発業務の効率化に有用なツールとして使われています。また、豊富な拡張機能も魅力です。

しかし、使い方を学ぶための情報源は限られており、基礎知識をWeb上の検索結果から得るには限界があります。そこで本稿では、ごく初歩からEclipseについて学べるよう、インストールの方法や初歩的な使い方の導入、便利な日本語化プラグイン「Pleiades」による機能拡張などをあらためて体系的に紹介します。

IDEとEclipse

IDEとは

IDEは、Integrated Development Environmentの頭文字をとったもので、日本語に訳すと「統合開発環境」となります。これは名前の通り、プログラミングを中心に、システム開発やアプリケーション開発を行うためのツールです。

従来ならば、ソースコードの入力、コンパイル、実行を別々のツールで行う必要がありましたが、IDEではこれらを同一アプリケーション上で実現できます。そのため、作業効率が格段にアップします。

さらに、ソースコードの入力や実行だけでなく、アプリケーションサーバの実行や停止、サーバへのアプリケーションの配置ができたり、設計ツールが含まれていたり、データベース内の構造情報を自動取得して設計図を作成したりなど、アプリケーション開発、システム開発に必要な機能がほぼ含まれています。

Eclipseとは

1999年に産声を上げたEclipseは、もともとはIBMがJava開発用に作成したものです。その後、2001年にオープンソース化されたことを機に、多くの開発者の興味を引くIDEとなり、2003年ごろには爆発的な人気を博します。

翌2004年には、非営利組織であるEclipse Foundationが設立され、Eclipseの開発、管理など全てが同組織に移管されました。そのEclipse Foundationによってリリースされたバージョン3.0、および、そのすぐ後にリリースされた3.1が、より多くの開発者に利用されるようになり、IDEのデファクトスタンダードという不動の地位を得ました。

Eclipseの特徴

Eclipseが多くの開発者に利用されるようになった理由には以下のようなことが挙げられます。

まず、オープンソースであり、無償で利用できます。また、Eclipseは、「プラグイン」という仕組みをその最初期から導入していました。本体を改造するのではなく、プラグインを作成し、それを組み込むことで、自由にEclipseを拡張できます。このプラグインにより、CやC++、PHP、Rubyといった、Java以外の言語による開発も行えるようになっていったのです。

さらに、プログラミングだけではなく、UMLやER図による各種設計のサポート、各種サーバへのアプリケーションの配置、アップロードなど、さまざまな機能がプラグインで実現可能です。プラグインさえ探し出せば、あるいは作成すれば、ほとんどのことがEclipseを使ってできるようになります。

EclipseのインストールとPleiades

では、実際にEclipseに触れていきましょう。まずインストールからです。

Eclipseのバージョン

Eclipse FoundationのEclipseのページにアクセスすると、図1の画面が表示されます。

1

図1: Eclipseのページ

画面中に「Download 2019-12」とあります。この表記の「2019-12」は、執筆時点でのEclipseの最新バージョンを表しています。

Eclipseは、広く普及した3.1の次のバージョンである3.2からコードネームを付与するようになり、4.8までの13バージョンはそのコードネームで呼ばれてきました。例えば、3.2はCallisto、3.3はEuropa、飛んで、4.7はOxygen、4.8はPhotonでした。4.9からはコードネームを廃止し、リリースされた年月でバージョンを表すようになりました。4.9は2018-09、4.10は2018-12といった書き方です。そして、執筆時点での最新が4.14の「2019-12」です。

Eclipseのインストール

Eclipseをインストールする場合、本来の方法は、図1の画面の「Download 2019-12」をクリックし、表示されたダウンロード画面からインストーラをダウンロードし、そのインストーラの手順に従ってインストールすれば完了します。

しかし、Eclipse自体がJavaで記述されたアプリケーションであるため、この方法でインストールを実行するためのJDK(Java Development Kit)があらかじめインストールされている必要があります。さらに、インストールが無事終了しても、メニューなどは英語のままです。これを日本語化するには、日本語化するためのプラグインを別途追加する必要があります。

このように、Eclipseを始めるだけでもなかなか手間がかかるのですが、日本語化などの手間を一挙に省く「Pleiades All in One」というものがあるので、これを使います。

Pleiades All in Oneとは

Eclipseを日本語化するプラグインは、Pleiadesです。Pleiadesのサイトにアクセスすると、図2の画面が表示されます。

2

図2: Pleiadesのページ

図2にある通り、トップページの一番上に掲載されているのは、Pleiadesプラグインではなく「Pleiades All in One」となっています。このPleiades All in Oneは、Eclipse本体に日本語化プラグインであるPleiadesをあらかじめ追加した上で、その他の便利なプラグインも追加してワンパッケージとしたものです。

このPleiades All in Oneには、Full EditionとStandard Editionの2種あります。違いはJDKが含まれているかどうかです。このことから、Pleiades All in OneのFull Editionを利用すると、便利なプラグインがあらかじめ追加されている上、日本語化されたEclipseをJDKのインストールなしで利用できます。そのため、通常は、Pleiades All in OneのFull Editionをダウンロードして利用します。

Pleiades All in Oneのダウンロードと配置

図2の画面には、各バージョンのPleiades All in Oneのダウンロードページへのボタンが配置されています。最新バージョンである「Eclipse 2019-12」をクリックすると、図3の画面が表示されます。

3

図3: Pleiades All in Oneのダウンロードページ

「Platform」「Ultimate」「Java」「C/C++」「PHP」「Python」と列があります。Platformは一番プラグインが少なく、UltimateはPleiades All in Oneとして利用するプラグインを全て含んだものです。また、利用する各言語に合わせてプラグインの組み合わせを変えたものが用意されています。

本稿ではJava用を使って解説しますので、Java列のFull Editionで、OSに合わせたものをダウンロードしてください。なお、ファイルサイズは1.5GB近くありますので、ダウンロードする際には注意してください。

Mac版の場合、ダウンロードしたdmgファイルを展開してください。すると、中にEclipse_2019-12.appというアプリケーションファイルが入っていますので、これをアプリケーションフォルダに格納すればすぐに利用できます。

Windows版は、Mac版同様にインストール作業は不要ですが、ダウンロードしたzipファイルを解凍する際に少し注意が必要です。図3の画面にも記載がありますが、パス長の都合上、解凍には7-Zipを利用し、パスの浅い階層のところに解凍する必要があります。もし、Eclipseを同一PCの他のユーザも使う可能性がある場合は、Cドライブ直下に解凍します。現在のログインユーザ以外は使わないのであれば、ユーザホームフォルダ直下に解凍しましょう。

なお、Eclipseは複数のバージョンを同じコンピュータに混在させられます。これは、Pleiades All in Oneも同じです。複数バージョンを混在させたい場合、Windowsでは解凍後にフォルダ名を変更しても問題ありません。例えば「pleiades」を「Pleiades201912」とするなどです。Mac版はそもそもアプリ名がおのおの違うので、そのままアプリケーションフォルダに格納すれば問題ありません。

Eclipseの起動と画面構成

Eclipseの配置ができたところで、Eclipseを起動し、画面を見ていきましょう。

Eclipseの起動とワークスペースの選択

Eclipseを起動するには、macOSではアプリケーションフォルダに格納したEclipse_2019-12.appをダブルクリックします。Windowsでは、

解凍したpleiadesフォルダ > eclipseフォルダ > eclipse.exe

のeclipse.exeをダブルクリックして起動します。とはいえ、いちいちこのフォルダを開くのは面倒ですので、スタートメニューなどに登録しておいたほうがいいでしょう。

Eclipseを起動すると、起動途中に図4のランチャー画面が表示されます。これは、ワークスペースの選択画面です。

4

図4: ランチャー画面

Eclipseでは、ひとつのシステム(アプリケーション)を「プロジェクト」という単位で表します。プロジェクトは、そのシステムやアプリケーションを開発するのに必要な複数のファイル類を、適切な構成でまとめたものです。さらに、このプロジェクトを複数まとめたものをEclipseでは「ワークスペース」と呼んでいます。

ワークスペースの実態は、複数のプロジェクトフォルダとEclipseの設定ファイルが格納されたフォルダを、まとめて入れておくフォルダです。ワークスペース内に設定情報が格納されるので、ワークスペースを切り替えることで、Eclipseの挙動を切り替えられます。

Mac版でもWindows版でも、PleiadesのEclipseを起動した場合、ランチャー画面にはデフォルトで「../workspace」が記述されていますが、このまま使ってはいけません。「起動」をクリックして起動を続けないよう注意してください。

「../workspace」が示す位置は、Windows版では解凍したpleiadesフォルダ内にワークスペースフォルダとしてworkspaceが作られることを意味します。もしCドライブ直下にpleiadesフォルダを解凍したのならば、プロジェクトの内容が他のユーザにも見えてしまうことになります。Mac版では、Eclipse_2019-12.app内1にworkspaceフォルダが作られてしまうことになります。

そこで、例えば以下のように、ユーザホーム内で適切なフォルダをワークスペースフォルダとして指定するようにしてください。

/Users/shinzo/workspaces/EngineerHub

Eclipseの画面構成とパースペクティブ

ランチャー画面で、適切なワークスペースフォルダを指定し、「起動」をクリックすると、Eclipseが起動して図5の画面が表示されます。

5

図5: 初回起動時のEclipseの画面

「パッケージ・エクスプローラー」や「ランナー」、「問題」などのタブが表示されている部分と、白紙の部分とに分かれます。白紙の部分は「エディタ領域」と呼ばれ、編集したいファイルを開くと、ここにその内容が表示されます。

「パッケージ・エクスプローラー」などのタブが表示されているものを「ビュー」と呼びます。Eclipseにはさまざまなビューが用意されています。さらに、プラグインを追加すると、そのプラグイン特有のビューが追加されます。これらのビューは、閉じたり追加したり、表示位置を変更したりできます。ビューの操作方法については後述します。

Eclipseでは、これらビューの配置と組み合わせを「パースペクティブ」と呼んでいます。現在選択されているパースペクティブは、ウィンドウ右上の6の部分で確認できます。初回起動時は「Java」パースペクティブが選択されています。他のパースペクティブを選択するには、同じくウィンドウ右上の7ボタンをクリックします。すると、図6のダイアログが表示されます。

8

図6: パースペクティブ選択ダイアログ

このダイアログは、「ウィンドウ」メニューから

「パースペクティブ」 > 「パースペクティブを開く」 > 「その他」

を選択しても表示されます。

このダイアログではさまざまなパースペクティブが選択できるようになっています。Java開発用のパースペクティブについても、「Java」と「Java(デフォルト)」があります。初回起動時のパースペクティブは、「Java(デフォルト)」です。どちらを使うかは開発者の好みによるのですが、本稿では「Java」を利用して解説していきます。デフォルトではない方の「Java」パースペクティブを選択して、「開く」をクリックしてください。すると、図7の画面に切り替わります。

9

図7: JavaパースペクティブのEclipse画面

ビューの操作

先述のように、ビューは閉じたり開いたり移動したりできます。ビューを閉じるには、ビュータブの右上にある×をクリックするだけです。図8は、図7の右上にあった「タスク・リスト」ビューを閉じた画面です。

10

図8: 「タスク・リスト」ビューを閉じた画面

ビューを追加するには、「ウィンドウ」メニューから「ビューの表示」を選択してください。図9のメニューが表示され、各ビューを選択できるようになっています。

11

図9: 「ビューの表示」メニュー

メニューのリストは、よく使うものに限定されています。このリストにない場合は、「その他」を選択すると、全てのビューが表示された選択ダイアログが表示されます。

図10は、試しに「プロジェクト・エクスプローラー」を選択して追加した画面です。

12

図10: 「プロジェクト・エクスプローラー」ビューが追加されたEclipse画面

左上のビュー表示領域に「プロジェクト・エクスプローラー」ビューが追加されています。このビューを移動させる場合は、ビューのタブをドラッグすれば可能です。ドラッグ中はどこに表示するかの領域が表示されるので、目的のところでドロップすれば移動が完了します。もちろん、既存のビューのタブの横に並べることもできます。

Eclipseでのプロジェクト作成とファイル作成

エンジニアHubに会員登録すると
続きをお読みいただけます(無料)。
登録のメリット
  • すべての過去記事を読める
  • 過去のウェビナー動画を
    視聴できる
  • 企業やエージェントから
    スカウトが届く