エンジニアが英語で会議! 新人エンジニアを育てる、ヌーラボの超ユニークカルチャーを聞く

若手エンジニアの成長ストーリーをうかがいに、九州の雄、ヌーラボにおじゃましました。同社の超カルチャードリブンなエンジニア育成の裏側をお聞きします。

エンジニアが英語で会議! 新人エンジニアを育てる、ヌーラボの超ユニークカルチャーを聞く

LINEやピクシブなど著名企業が次々と拠点を築き、ここ数年IT業界で注目度の高い福岡。この地で創業され、いまや九州を代表するIT企業と見られている会社があります。

チャットツール「Typetalk」、ウェブブラウザで使える作図ツール「Cacoo」、プロジェクト管理ツール「Backlog」を手がける、ヌーラボです。

いまや、福岡だけでなく、東京、どころかニューヨークにも拠点を持つなど、その組織構造はユニークです。では、その内部にはどのようなカルチャーがあり、どのようなエンジニアがいるのでしょうか。Typetalkの開発を担当する入社3年目のソフトウェア開発者、永江昌大(ながえ・まさひろ)さんと、ベテランながら新たな挑戦を続ける吉田太一郎(よしだ・たいちろう/@dataichさんにお話しを伺いました。会社のカルチャーが、その会社に必要な人材を育てる。多くの企業が求めるこんな成長サイクルが、お2人の話しから見えました。

ヌーラボを知らないまま入社したビッグルーキー

──永江さんは新卒から福岡のヌーラボに入られたのですね。

永江 もともとは、情報系の専門学校に通っていて、プログラムを書くことを仕事にしたいと思っていたんです。そして東京でIT関連の仕事をしようと就職活動をしていたのですが、あまりうまく行きませんでした(笑)。そして、福岡に戻って就職したいと思える企業を探して、ヌーラボに入社しました。現在は「Typetalk」のチームに所属しています。

──その時にはもうヌーラボをご存じだったのですか?

永江 ヌーラボのプロダクト、Cacoo(オンライン作図ツール)は知っていました。調べてみると、Cacooを作っている会社が福岡にあるとわかり、それで応募したんです。ですから、「ヌーラボ」という会社名はあまり意識していませんでしたね。2015年の4月に入社して、社内ではまだまだ下の方ですかね(苦笑)。

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永江昌大さん

──吉田さんはそんな永江さんをどう見ていますか?

吉田 年齢だけ考えれば、つい最近まで社内最年少だったんですけど、業務的には間違いなく“戦力”です。本人は「下」といいますが、「若いから下」とは考えたこともないです。

──吉田さんの社歴は長いのでしょうか。

吉田 いや、実は永江さんと半年しか違わないんです。2014年10月に入社しました。その前は長崎に住んでいて、娘の幼稚園の都合で半年間は長崎からリモートワークで仕事し、2015年4月に家族で福岡に引っ越しました。福岡オフィスで働き始めたのは、永江さんとほぼ同時です。

ヌーラボは3社目で、それまでは長崎でサービス開発を受託する会社にいました。そこで7~8年くらい経験したあとに、求人情報を見てヌーラボに入りました。九州のIT業界でヌーラボはとても有名な企業です。当時は本気で転職活動をしていたわけではないのですが、偶然にも求人を見て、「チャレンジしてみようかな」と思ったんです。入社後は私もTypetalkの担当になり、福岡で永江さんと2人のチームになりました。

──そこでメンターとして、エンジニアを育てる役割にもなったのですね。

吉田 いや、実ははっきりと「メンターになれ」というオーダーはありません。ただ、当時のチームは2人ですので、おのずといろいろなことを教える場面はありますね。あ、そういえばほんの少し上の人に言われたかも。「新卒が入ってくるので、技術的なことだけじゃなくてホウレンソウみたいな基本も教えてね」と。これは永江さんには言ってなかったな。

自分自身も新卒のころはメンターについてもらい、一緒に1つのプロジェクトに参加しながら仕事の進め方を教えてもらいました。今のチームでも2人が福岡にいて、同じプロジェクトを担当することが多いので、関係性はそれに似た感じかもしれません。

英語、ライティング、ヌーラボ固有のカルチャーとは

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吉田太一郎さん

──永江さんはヌーラボでのエンジニアの仕事とはどういうものか、イメージはできていましたか?

永江 もちろん、機能の開発やコーディングをやることが主な仕事だと思っていました。いざ入社してみると、ユーザーサポートやマニュアル執筆といった、開発以外の幅広いタスクが与えられたんです。

吉田 Typetalkは若いサービスで、メンバーも多くはありません。そのため、どういうお客さまがいて、どういう使われ方をしているかなど、プロダクトに関わるさまざまなことを開発者自身が学ぶべきだという、チームとしての意向があります。また、サポートもサービスの一部という考え方があります。もちろんサポートメンバーもいるのですが、チームとしてサポートのレスポンス速度を上げたいという意図があり、サポート業務を交代で開発者自身で行っています。

──永江さんも面食らったのではないですか。

永江 最初は大変でした(笑)。サポート以外にもいろいろタスクはあります。大変だったのは、プレスリリースのようなものを書かなければならないことです。ヌーラボでは開発者が、記事を日本語と英語で書かなくてはなりません。これまで英語をやってきていなかったので、困りましたね……。

──プレスリリースも開発者自身が書くのですか! 広報ではなく?

吉田 外部メディア向けのプレスリリースは広報が担当しますが、ヌーラボでは、サービスのアップデートや機能追加を行ったとき、その機能を作った担当者がブログで紹介するんです。それを英語でも作文します。これはヌーラボの文化と言ってもいいと思います。要約だけ箇条書きにして、英語本文はネイティブのメンバーに書いてもらうということもありますが、基本的には担当者が自分で書き、英語ネイティブの人に見てもらって、校正してから出しています。

──吉田さんも英語で書かれるのですね。大変だったのでは?

吉田 学校でちょっとやっていたので、一応英語の読み書きはできるつもりではいますが、一生懸命書いた文章が真っ赤になって返ってくることは結構あって、へこみますね(笑)。

永江 読み書きくらいはなんとかできるようになりましたが、ミーティングで英語を話すのはまだ慣れないです。

吉田 開発部隊は海外にいるデザイナーなどとの打ち合わせがあります。朝8時とか9時に、1時間くらい英語の打ち合わせがあると大変です(笑)。まだ頭が起ききっていないタイミングでの英語のミーティングで、集中力を持続させなければなりませんから。

永江 面接のときに「英語はできる?」と聞かれたのですが、ここまで使うとは思いませんでした。面接でも「そんなにできない」と正直に答えた記憶があるんですが……(苦笑)。

東京を目指した理由と、福岡がよかった理由

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ヌーラボは国内外に拠点を持つ。メンバーの国籍もバラエティ豊かだ。

──東京で就職活動をして、福岡に戻ることになったことについては、「東京の方がよかった」と思ったことはありますか。

永江 いや、ヌーラボに入ったことは良かったと思っています。社風もとても自由な雰囲気ですし、働きやすい場所だと思います。

今もし「東京で働いてもいいよ」と言われても、福岡のヌーラボを選ぶと思います。東京に行こうと思っていた動機というのは、実は福岡にIT企業はないだろう、と思っていたからなのです。ITといえば東京というイメージで。今となってみると、福岡にも選択肢はいっぱいありました。今はさまざまな有名企業が福岡に来て、さらに状況は変わっていますね。

──吉田さんは長崎から福岡に移動しました。

吉田 福岡と長崎を比較すると、勉強会の数、IT企業の数など大きな差があります。福岡に行きたいと思っていながら、なかなか踏み切れないところでした。しかし、もともと興味のあったヌーラボから自分の得意としていた分野の求人が出ていて、これに手を挙げなかったら転職することはないだろうと考え、思い切って決断したんです。

いま、ヌーラボでは定常的にリモートワークをしている人もいます。自分はそもそも福岡に来たかったので、福岡で仕事を探しました。家族の状況もあり、短期間ながらリモートワークができることも条件でした。それが可能だったこともよかったです。

担当領域に決まりなし。新人を磨き上げるヌーラボ流チームビルド

──永江さんは若いエンジニアですが、自分のスキルアップなどはどのように考えていますか。

永江 入社前は情報系の専門学校にいましたので、授業の中で実習として学んでいました。その前からプログラミングを趣味でやっていましたが、周りに教えてくれる人もいなかったので、技術書を買ってプログラムを“写経”しながら勉強していました。

あとは、生放送をみて、プログラミングを学びましたね。

──生放送? それはネット生中継のですか?

永江 はい。プログラミングを生中継しているのを見ながらテクニックを学んで。あとはTwitterで流れてくる情報や人をフォローして、最新状況をつかんでいたりしました。最初はC言語を学んでいました。

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──経験あるエンジニアである吉田さんは、どのようスキルを磨いているのですか?

吉田 前職では業務で扱うのは軽量プログラミング言語が中心で、PHPやPerlを使用していました。個人的な趣味でObjective-CでiOSやmacOSのネイティブアプリをリリースしたりしていたら、業務としてもこうした開発が入るようになって。

そうしたら、ヌーラボでもiOSエンジニアを募集していたので、それならいままでやっていたことが、評価してもらえるかも、と思ったのです。ヌーラボは当時から“ハイレベルな企業”と思っていて、自分が入れるとは考えていませんでした。でもiOSエンジニアとしてならば「いけるかも」と。

入社後はしばらくiOSエンジニアとして動いていました。しかし、福岡のTypetalkチームは永江さんと2人だったので、永江さんがサーバーサイド実装をするとして、自分がiOSだけできてもダメだと思ったんです。もし永江さんが自分に何かを質問しても、回答できないじゃないですか。だから入社後は、サーバーサイドの技術としてScalaを学ぶようになりました。その時は写経からスタートして、文法を学んで。あとは、そもそもTypetalkでずっと運用されているScalaのコードがあったので、そこから学ぶことも多かったです。

──実は吉田さんも、似たようなタイミングで新たなことを勉強されていたのですね

吉田 そうですね。永江さんがいたことで、自分も多岐にわたって勉強をしないといけない状況になりました(笑)。でも、それは本当に刺激的だと思いました。もちろんインフラも勉強して。それは福岡拠点でも、誰かが知っておかなければならないことですし、誰かが教えられないといけないと考えたからです。

──今のお話を聞くと、例えばサーバーサイドは誰が担当するとか、フロントエンドは誰が担当するとかはきっちりと決めていないように思いますが。

吉田 個人が「やりたい」と感じる領域を、まずは担当してもらうという方針ですね。

永江 私は主にWeb系ですね

吉田 永江さんは「こんな領域をやってみたい」ということを言ってくれます。最近でもデスクトップアプリ周りをやってみたいということだったので、ペアプロをしながら小さな改善をリリースしてもらいました。

──その作業分担を含め、チーム作りはどうやって決まるのでしょうか。

吉田 わりと自然にチームが組み上がる印象があります。iOSだけやっていてもサーバーサイドAPIを変えるときに、人任せにするとフットワークが重くなってしまいますので、基本的に全部見られるようにしています。その中で、得意なところを決めると。

東京のメンバーもAndroidとWeb両方対応していたりします。ただこのあたりはチームの大きさなどにも依存すると思います。もう少しチームが大きくなってくると専門性を持ったメンバーが必要になってくるのではないかと思います。

──広範な領域をフォローできる人材がいるからこそのチームビルドですね。

マルチな領域で活躍できるエンジニアはこう育てる

──吉田さんが永江さんを“育てる”ということについて、研修のガイドラインみたいなものはあったのでしょうか。

吉田 ヌーラボの新卒採用は永江さんが“初”なんです。最近になって、永江さんの母校から2人目が入りましたが、ヌーラボには「新卒採用の教育プログラム」というものはまだ確立していません。

ただ、その代替となる研修は存在します。入社後、何か一つプロダクトを作る、というものです。

──永江さんはどんなプロダクトを作ったのでしょうか。

永江 自分の場合は2カ月間で、「勤怠管理」のサービスを作りました。ScalaとPlay Frameworkを使って。当時、ヌーラボは勤怠管理をまだシステム化してなかったんです。Typetalkチームのプロダクトオーナーに、いろいろと教えてもらいながら、企画開発、仕様策定、開発からやりました。

Play FrameworkもScalaも使ったことがなかったですので、教えてもらいながら作業をしました。その時、社内のメンバーから「チャットを活用するといいのでは」というアイデアをもらって。チャットに「Hello」と入力すると、それで出勤したことになります。何とか完成しました。実際にそのサービスはつい最近まで使われていましたね。

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永江さんの手がけた勤怠管理サービス「Hello Goodbye」は、Typetalkのチャットで出勤、退勤の管理が可能。

──まさにサービス開発の最上流から学ぶというわけですね。

吉田 永江さんの勤怠管理システムは2年近くずっと使っていたし、社内ですごく評判が良かったんですよ。制度の問題で新たな勤怠管理システムを入れているんですが、永江さんの作ったシステムにはいまだにファンがいます(笑)。

勤怠管理システムながら、「管理されている感」がないのが面白かったんです。チャットでHelloと入力すると出勤、Byeと入力すると退勤となるので、チャット画面を見てすぐに「あの人が出社したな」と分かります。それでいて管理されている感がない。チャットネイティブの世代だからこその発想ですよ。本当に素晴らしいと思いました。

──研修がしっかりと実業務につながっているのは素晴らしいですね。

吉田 ヌーラボのカルチャーとして「よく働き、よりよく遊べ」ということがあります。真剣に遊び、真剣に学ぶ。どういうプロジェクトの進め方をしているのか、というのを学ぶのが研修の目的です。Typetalkで議論して、課題をBacklogで起こして、Cacooでワイヤーフレームを作ってレビューしてコードに落とし込んだりとか。ちなみに京都チームでは技術関連のアウトプットだけでなく、家具や染め物を作ったりもします。「共同で何かをする」という意識をそこで養うことも目的の一つです。

それと、誰かが何かを書いたり作ったりした場合は、チームなどは関係なく社内全体にチャットで投げてレビューを依頼したりします。するとチャット上でレビューが始まり、たくさんのフィードバックが集まります。技術的な部分などは、たくさんのメンバーからの指摘がもらえるのがいいですね。

──福岡にもなにか、独自のカルチャーがあったりしますか?

永江 仕事を楽しもう、というのはあるかもしれませんね。TypetalkやBacklogでの「スター」「いいね」みたいなところにも現れていますが、仕事するには直接関係ないものが実装されています。こういう部分があると、仕事が楽しくなるのではないかというのはありますね。

どんな領域にも突き進む。だからこそクリアできた難プロジェクト

──これまでのお仕事で一番技術的に難しかったのはどんなものでしたか。

永江 最近リリースした機能で「Backlogカード」というものがあります。Typetalkに張った、Backlogのタスクをホバーカード形式で表示するものです。この機能は、自分がメインで担当しました。

この機能開発は、Backlog側のシステムにも手を加える必要があり、自分が担当しているTypetalk以外のチームとも協力が必要です。Backlogで使っているフレームワークがJavaなので、Javaの概要を理解し、Backlogがどのように動いているかを把握する必要があったんです。かなりチームにサポートしてもらいましたが、なんとかリリースまでたどり着けました。

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永江さんが開発をリードした「Backlogカード」機能のデモ画面。

吉田 ヌーラボのプロダクトは、それぞれ構成している仕様がかなり違うんです。TypetalkはサーバーサイドがPlay FrameworkとScalaで、クライアントサイドがAngularJSです。一方のBacklog はサーバーサイドがWebWorkとJavaで、クライアントサイドがHaxeとKnockout.jsです。横で見ていて、チーム間のやりとりが大変そうだなと思っていました。実はこれ、自分が途中までやっていたプロジェクトでもあったので……。

永江 当然、BacklogチームはBacklogチームのスケジュールで動いています。そこで時間を取ってもらって、調整してという作業もなかなか大変でしたね。

吉田 そういった調整力のようなものは、技術力とはまた別の力じゃないですか。そういった仕事に必要な要素を体験できるプロジェクトだったので、永江さんの力になったのではないかと思います。いい経験ができたのではないかと思います。

ヌーラボにいるからこそ見える、「その先」

──永江さんは3年目になりましたが、どんなエンジニアになりたいでしょうか。

永江 吉田さんのようになりたいです。

──即答ですね。

吉田 照れますね(笑)。

永江 仕事をしていて、技術的な不明点を吉田さんに質問すると、いつも的確に回答してくれるんです。人に教えるということは、自分が高い水準で理解していないとできないはずです。わかりやすく説明できる背景にある、理解の深さにあこがれます。

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──指導的な立ち位置にいて、吉田さんは永江さんをどう見ていますか。

吉田 新卒で1、2年目から、コーディングという領域においては、最初から最後までできていました。もちろん、多くの人の助けはありましたけれど、「エンジニア」という意味ではもう独り立ちしつつあると思いますよ。そして、いまやもうプロダクトの全体を理解できる人になっています。

プロジェクトに入った当初はサービスのアーキテクチャや、その各要素がどのように作用しているのかが分からず、機能追加するにしてもアプリサーバー側だけ変えればいいのか、メッセージングサーバやクライアントにも影響するのかが見えなかったのではないかと思います。もともとプログラミングスキルは学校でも学んでいたので、プロダクト全体が理解できれば、機能追加、実装の依頼ができます。その力がしっかり付いています。

永江 最初のころは機能を作れと言われても、どこを見ればいいか分かりませんでした。確かにいまはピンとくるようになりました。

──永江さんをすごく評価されているのですね。

吉田 最近永江さんのコードレビューをしていても、すごくいい書き方すると思うことが増えたんですよね。自分はObjective-Cから入ってSwiftをやっていたので、Scalaの書き方は他の人の方がうまかったりするんです。だからこういう書き方があるのか!と驚くこともありますね。

──そうなると、メンターという立場ではなく、対等なエンジニアになりつつあると。

吉田 そうですね。そのうち永江さんが、コードレビューや打ち合わせで「吉田さん、それ違いますよ!」と反論できるようになったら、対等でしょうね。その兆候は見え始めていて、自分がなにか言ったときに「いや、それはちょっと……」と言われることもしばしば。成長を実感します。

アウトプットせよ。それがチャレンジになり成長につながる

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──永江さんのさらなる成長をどのようにイメージしていますか。

吉田 ヌーラボではマネージするより「一緒に働いていく」ことを重要視しています。指示したりされたりではなく、みんなを巻きこんでチームで主体的に物事を進めていく。そういうことがポイントなのではないでしょうか。そういった意味では、永江さんが自ら主催するイベントがまもなく開催されるのですが、本当に期待しています。

──主催としてですか。

永江  福岡にいるエンジニア仲間という意味では、コミュニティ活動や勉強会への参加などで交流しています。最近では、2017年9月30日に「Python Boot Camp in 福岡」をヌーラボオフィスで行う予定で、その主催者として準備をしているところです。

──発表活動を会社として推奨しているのですか。

吉田 ヌーラボはこういったコミュニティ活動に携わるメンバーを応援、支援するという文化があります。私も2017年7月に「Scala福岡2017」を委員長として携わったばかりです。

イベントに関する打ち合わせを業務時間中にやらせてもらうことも多いです。永江さんにもどんどんやってほしいと思っています。絶対にいい経験ですしね。大変ですけれど、やってみたらいろんな出会いもあります。本当にいいものだなと。

永江 入社直後だったら、「絶対に自分にはできない」と答えていたと思います。でも今ならできるかもしれない、と思えます。自分の経験になりますから。

吉田 ぜひ今後は発表したり、登壇したりしてほしいですね。永江さんが書いた技術ブログ、この前はてなブックマークを400も取ったじゃないですか。会社でものすごく盛り上がったんですよ。いまのところ今年のヌーラボブログでトップで、誰も永江さんに逆らえないんですよ(笑)。

永江 でも、これも皆さんに見てもらって書いた記事ですし。

吉田 こういうブログも、みんなでレビューして、記事を育てて公開しています。こんな内容をしゃべればいいだけですから、次はぜひ発表もやりましょう。トークスキルも磨いてくださいね(笑)。

──お2人のお話しを伺っていると、まさにカルチャーがその会社固有のエンジニアを育てる、ということが実感できます。本日はありがとうございました。

取材・構成:宮田健(みやた・けん) 9 dpost.jp

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