体型を支える技術 ──35歳になっても現役で戦い続けるプログラマの体づくり

現役開発者を悩ませる、プログラマ35歳定年説。体力が落ち、記憶力が衰え、一人の時間もなくなる。そんな限界にチャレンジし続けるエンジニアの熱き戦いと、体型に迫った渾身レポート。

体型を支える技術 ──35歳になっても現役で戦い続けるプログラマの体づくり

はじめまして、白山文彦(しろやま・ふみひこ)といいます。プログラマです。 今年34歳になります。そうなるとタイムリミットまであと1年になってしまいます。 なにがって?

……そう、「プログラマ35歳定年説」です。

プログラマ35歳定年説は本当なのか?

2017年にもなって「プログラマ35歳定年説」を唱えるなんて……と思われる方もいるかもしれませんが、体力面ではあながちウソでもないようです。

体力が落ち、記憶力が衰え、一人の時間もなくなる……

自分を振り返ること2年前。30歳を過ぎても、気持ちはまだ20代を引きずっている頃、異変は少しずつ現れてきます。

まず、露骨に体力が落ちてきました。大事な仕事のリリース直前で始発出社・終電帰宅が続いたときや、旧友と再会して夜通し飲み歩いたときに、無理がまったく効かなくなってくるのです。20代の頃は10時間ぐらい寝たらドラクエの宿屋よろしく体力マンタンで復活できたもんですが、30代はそう甘くはありません。体力回復のためだけに、2~3日を棒に振ってしまいます。

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知能の変化も訪れます。僕は記憶力に自信があって、技術書なんて一度読めばだいたい忘れませんでした。ある日、いつもと同じように新しく買ってきた本を読んでいると、妙にスイスイ頭に入ってきます。「やだな~、怖いな~」と思いながら恐る恐る本棚のほうを振り返ると、まったく同じ本が置いてあります。しかも読了済み。このときはさすがに少し落ち込みました。

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生活習慣が一変するのも30代になると確率が上がります。夫婦生活、子育てはさながらリリース未定の長期プロジェクト。独身の頃のように、興味と本能の赴くまま好き勝手夜更かししてコードを書き散らしたり、自作のGPSアプリを試すために朝から晩まで飽きることなく歩き続けたりといった無茶が許されなくなります。

本当に悪いのは環境変化でなく、環境に合わせて習慣を変えられない自分なんですけどね。

読書を辞め、家でコードを書くこともなくなり、さらにプール通いも辞めてしまって、夜は家事を終えると自分を慰めるべく酒を飲みまくる日々が続きました。さらに仕事中は業務用ポテトチップスをかじり、昼食にはゴーゴーカレーでメジャーカレー(最高!)を頼む毎日を送り、結果的に体重は90kg台ヘ……

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あなたも35歳定年予備軍?

次に当てはまる項目が多い人ほど危険度が高いと思っています。

  • 体力がガクッと落ちた
    徹夜しないまでも、少し夜更かしすると日中に集中力を保ちきれない。
  • 記憶力が落ちた
    人に物を頼むときに固有名詞が出てこない。Evernoteがないと生きていけない。
  • 学習意欲が低下した
    周りの若者が新しい技術に喜々として突っ走るのを「ようやるわ」と傍観するようになった。
  • 結婚した or 子どもができて生活スタイルがガラッと変わった
    これまでと同じようにOSS活動ができなくなった。
  • 太った
    なんか体が重いし頭も働かない。

こんな先輩エンジニア、みなさんの周りにもいませんか? かつての僕も、この項目すべてに当てはまるヤバいエンジニアでした。まさに「35歳定年予備軍」だったのです。

無茶な減量とリバウンドから得た教訓

30代前半にして巨漢と化してしまった僕は、とりあえず減量を始めることにしました。

1回目は体重を落とすもリバウンド

実は僕は減量を2回経験しています。1回目は今から2年ほど前、自分の結婚式を挙げたとき。

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式で着るタキシードを合わせに行ったら、試しにと出してもらった衣装が大きい人用でした。同じ身長で「細い人用、普通の人用、大きい人用」と3種類あった中で、です。ショックでした。

6ヶ月後の結婚式までにどうにか痩せたい! と思った僕は、試合前のプロボクサーばりのストイックな減量生活を始めることに。炭水化物をすべてカットし、食べるのは鶏ササミと野菜のみ。デザート、ジュースなど甘い物はもってのほか。食事制限に加えて、週5でプールに通い毎回2km泳ぎました。

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「消費カロリー > 摂取カロリー」のため劇的な効果はあったものの、つらく悲しい減量でした。特に、食事は完全に作業となり下がったのです。

モヤシと蒸し野菜の端切れ、豆腐のお弁当を見た同僚には「これ白山さんのランチですか? カルガモの飼料かと思いました」と絶句され、大好きな甘いものやデザートも封印。当時の食生活での唯一の楽しみが歯みがき粉の甘さでした。

このような減量では長期的に続くはずがありません。結婚式までに20kg以上落とすという大目的を達成した僕はほどなく元の生活に戻り、冒頭の90kgへの道を歩み始めます。

現実的な目標の設定と維持

前回の反省を踏まえて、2回目の減量では次のように目標を決めました。

  • 現実的なペースでの減量と、その後の体型の維持
  • 苦しまずに続けるために工夫し、長期的な視点で生活リズムに組み込む
  • できる限り外部設備を使わない
  • プログラマとしてのクオリティ・オブ・ライフの向上

何よりも、まず現実的なペースで緩やかに体重を落としていくことを心がけました。加えて、体型維持も視野に入れて減量を進めていくことに。

ここで、食事・運動の両側面から、体重を支えた技術について書いていきます。

食事:楽しく美味しいダイエットメニューを取り入れる

まずは食事を「作業」から「楽しい時間」に戻すことから始めました。食べることが好きなのに、食事を作業化してしまったのがそもそもの間違いだったのです。

減量で大活躍した、美味しくて楽しいダイエットメニューを紹介したいと思います。

(1)シリコンスチーマー温野菜

シリコンスチーマーの中に、適当に切った肉や魚、野菜を入れてレンジでチンするだけで蒸し料理が完成します。

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モヤシ、玉ねぎ、ほうれん草、にんじん、きのこなど好きな野菜をポイポイと放り込み、お好みで鶏むね肉やササミ、タラなどの魚を加えてレンジでチン。油を使わないので、けっこうな量を食べてもカロリー摂取量は控えめになります。「腹いっぱい食べても良いんだ」と言い聞かせながらムシャクシャ食べてください。

飽きが来ないコツは、ノンオイルドレッシングを数種類用意すること。

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大きめのスーパーに行くと6~7種類は集められます。ときどき塩こしょうやポン酢を加えると、さらに飽きない。リーグ優勝間違いなしの黄金のスタメンを組むことができます。

(2)きのこたっぷり野菜鍋

温野菜を朝・昼と食べていると、夜はメインディッシュとして豪勢なものを食べたいと思うのが人情というものです。そこでおすすめなのが野菜鍋。

鍋もシリコンスチーマー同様、余計な油を使わないので減量メニューにはもってこいです。食材は例によって鶏むね肉やササミ、魚に白菜、きのこ、キャベツ、ネギ、にんじん、豆腐などを好きに組み合わせてとにかく鍋に放り込みます。

スープの味付けは(A)をベースに、(B)と(C)を組み合わせながら変えていくと長く飽きずに続けていくことができます。

(A)ベースとなるスープ

  • 和風だし(かつお、こんぶどちらでも)
  • 中華だし(鶏がらスープ)

(B)味の基本

  • 酒、みりん
  • しょうゆ(うすくちが僕の好み)

(C)味のアクセント(気分によってBにプラス)

  • オイスターソース
  • 味噌
  • 和風合わせ味噌
  • 甜麺醤
  • 豆板醤
  • たまに豆乳+キムチ等の飛び道具

スーパーで安く手に入った食材によって味のアクセントを変えていくと飽きずにずっと続けられます。我が家では今でも年中何かしら鍋やスープを絶やさず作っていて、家族も喜んで食べています。

(3)鶏ハム

これなくしては今回の減量は成り立たなかったであろう、助演男優賞級の大活躍を見せたのが鶏ハム。

鶏ハムの作り方は以下の通り。

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  1. 鶏むね肉を用意(柔らかい肉が好きな人はもも肉でも可)。皮をはぐとよりヘルシーだが、そのままでも美味しい
  2. 砂糖(三温糖、なければ上白糖)を全体にうすーく塗り込む。量はテキトー
  3. 塩を砂糖の倍ぐらいの量で塗り込む
  4. 粗挽き胡椒やバジルなどの香辛料をパラパラとふりかける
  5. ジップロックに入れて冷蔵庫で2晩ほど寝かせる
  6. 寝かし終わったら、鶏を薄い食塩水(塩は小さじ1杯ぐらい)に浸け、30分ほど塩抜きする
  7. 鍋に湯を沸かし、沸騰後に鶏肉を投入。再沸騰したら火を止めてフタをし、そのまま冷えるまで放置。
  8. 冷えたら完成! 冷蔵保存で1週間ほど持ちます。

小腹が空いたらおやつとしてそのまま食べられるし、サラダの具にしても良し、ソテーしてメインディッシュにしても良しの万能武将です。

食事は妥協点をつくるのが長く続けるコツ

長く続けるうえで大切だったのが、適度な妥協点をつくるということでした。

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